「塔矢 でも俺、お前の子も欲しかったかな。」
アキラは驚いたようにヒカルを見ると優しく微笑んだ。
「じゃあ こうしよう。」
・・・アキラ王子もヒカル三蔵の頼みで 黒の組織のくすりを飲みました。
そして二人は愛を育み子供が産まれました。
その子の名前は・・・
ふと考え込んだアキラにヒカルはただの思いつきでない名を提案する。
「俺 明人がいいな・・」
「わかった。 明人にしよう。」
アキラ王子とヒカル三蔵と光輝と明人はいつまでもいつまでも楽しく幸せに暮らしました・・・
話を終えたアキラの肩にそっとヒカルが体を預けた。
摩訶不思議なお話の中へ引き込まれてその登場人物にお互いを重ね合わせていたアキラとヒカル。
ヒカルはふと何かを思い出したように顔をあげた。
「でもさ塔矢 そうすっと俺がお前を抱かなきゃなんないのかな。」
何を突然言い出すんだとばかりにアキラは噴出した。
「君は突拍子もない事を考えたんだね。」
「だって話の中じゃそうだったじゃないか。」
「じゃあ君は僕を抱けるのか?」
「えええ???でも その 俺 もしお前が子供を産むっていうならその・・・」
ヒカルの返答にアキラは満足そうにわらった。
「大丈夫だよヒカル。物語はきっと僕たちのために作られたんだ。これからの物語は二人で作っていけばいい。」
「そうだよな。」
そう・・・本当の物語は今ここからはじまろうとしているのだから。
「なんで俺たちの部屋に緒方先生がいんだよ。」
温泉から戻ってきた和谷が部屋に残っていた伊角に尋ねた。
「ほんまや。なんでこのおっさんが俺らの部屋でねてんねん!」
仮にもタイトルホルダーの緒方先生に社はおっさんっ呼ばわりとは・・。
苦笑しながら伊角が社と和谷に事の次第を説明する。
「なんでも同室の芦原さんに締め出されたらしくて部屋に泊めてくれって。緒方先生の頼みじゃ断れないだろ」
「そやかて・・俺らの布団占領せんでもええやん。」
見事に緒方は三人の布団に跨り大の字になって寝ていた。
「これじゃあ俺たちの寝る所ないよな。」
「三人で端に運ぼう。」
だが、緒方は3人がかりでもびくともしそうになく諦めようとした時・・。
「お前らまとめて俺のものにしてやるからな・・・」
緒方が言った寝言に三人が顔を見合わせた。
「先生今なんか言わなかったか?」
「いってた。俺のものがどうのこうのって・・・」
「でもおっさんえらい 幸せそうな寝顔やで。このままにしといたった方がええかもな。」
緒方の夢の中で・・・何があったかは三人とも知らない。
いや、三人とも緒方の嫁にされた?など知らない方がいいのだ。
こうして男三人と1人の夜は暮れていった?