「ヒカル三蔵〜!!俺ら不幸や!」
詰め寄って何かを必死で訴える社悟浄。
手には一枚の紙が・・
「なになに・・緒方魔人の婚姻届に社悟浄・伊角八戒・和谷悟空が・の・・載ってるぞ!」
何時の間にそんな事になったのか?
いや…正直別行動をとってから彼らの身に何が起きて…?
「そうなんだよ。アキラ王子とお前との結婚で遅れをとったと言って、強引に提出したんだよ!!」
法律や常識など全く通用しない牛魔王の兄王子。
「俺の人生設計では、和谷悟空との結婚が控えていたのに・・」
別に聞いていない事をカミングアウトする伊角八戒。
「伊角八戒・・俺はリ−ダ−として言っておくが、職場結婚は認めないからな。」
血も涙も枯れ果てたヒカル三蔵。
ドクタ−加賀の助言で破局寸前だった。
自分の分身をアキラ王子は、詐欺で自分の子と言い切った。
しかも薬を盛った上に、アレ・コレ自分を弄んで、それで目覚めたらこのありさま。
(慰謝料大きくふんだくろうかな?)
深く反省したアキラ王子と、分身のヒカル三蔵Jrもとい光輝がやって来て・・
「アキラパパは悪くないよ。だって素直じゃないヒカルママが悪いんだ。」
「光輝・・何を・・?」
分身なんだから、ヒカル三蔵の心も写し取っている。
「僕はヒカルママの事は全てお見通し。天邪鬼なんだよね・・」
生意気だと怒りたかったが、アキラ王子に好意はあった。
必死に自分を追いかけてくれる・・例えるならルパ●三世と銭●警部のような・・
そして何よりこれ程自分を愛してくれる者は・・いない。
情けない時もある。暴走している時もある。でも 目が離せない。
「分かったよ。俺の本音を言うよ。・・俺…多分…アキラ王子が好きだよ。」
ストレ−トに言ったヒカル三蔵の告白は、アキラ王子をK・Oした。
(僕は夢でも見ているのだろうか?こんなに嬉しい事はない・・)
苦節3年強の恋路・・長くそしてきつかった。
初めは敵同士であり、本気で殺しあった事もあった。(←いつ??)
ヨンハ金閣とホン銀閣の罠にかかり、自分が三蔵になりヒカル三蔵が悟空となったこともあった。(←多分外伝?)
でもそれも今では甘酸っぱい青春の1ペ−ジとなろうとしていた。
「アキラ王子・・これは無駄にならなかったようね。」
500人前の赤飯が炊飯器で炊かれていた。
明子女王様が側に天竺の使い【佐為騎士】を連れてやってきた。
すっかり自由人と化して、日本を横断していた彼…天真爛漫な雰囲気の佐為Jr・・
チラシにひかれて出向いたス−パ−海王で知り合った二人。
信頼出来る情報筋では生粋のショタコンの明子女王様が、ひと目で気に入り誘拐したとされている。
…本人談では餌付けした明子女王様が本人の意思により、魔界に案内した。
「ヒカル三蔵・・おめでとうです。」
笑いかけ側の光輝と直ぐに仲良くなった。
盛大に行われた結婚式。
それに便乗した緒方魔人も、3人と結婚した。
半ばこちらは自分の意見を無視された事だったが・・ご愁傷様。
「幸せにするよ・・ヒカル三蔵・・」
「ああ・・幸せにして貰うよ。これからは・・」
迷いも無く言い切ったそれは、未来への希望・・。
そして天竺でヒカル三蔵を案じていた佐為は・・
「ヒカル三蔵・・そして以下省略・・。貴方達は身を固めたようですね。
しかし姑がいる事をアキラ王子・・ついでに緒方魔人、お忘れなく。」
魔界と天竺の一年戦争は・・終結した。
種族を超えた恋愛によって・・