『碁遊記』

第十二話〜七転び八起きな展開?〜








「精次なかなか苦戦しておるようじゃの。」

「じじい 何しに来た!」

腰を曲げたサル顔の老人が高笑いをあげた。

「ふォほほほ・・前城主のわしに向かって随分じゃの。様子を見に来たまでじゃよ。

しかし三人ともわし好み〜特に背の高いの・・・いい体つきしとるの。精次の相手なんかせず わしに付き合え。」

サル顔の爺に指差された伊角は悪寒が走った。

この爺さんの相手をするぐらいなら精次の方がまだましだと思ったぐらいだ。

「戯言を。あそこも ○たん 隠居じじいの癖に!」

「甘いな精次 忘れたとは言わさんぞ。お前さんにP・・・を仕込んだのやP・・・を伝授したのはわしではないか。」



「人聞きの悪い事をいうな!読者が勘違いするだろ!!」





いきなり現れた謎のじじい(どうも隠居した牛魔王?)と精次は火花をちらして対峙はじめた。

それはすさまじく城をも揺るがすほどだ。



「なあ 伊角さん 社 逃げるなら今のうちじゃない。」

耳打ちする和谷に社がうなづいた。

「確かに・・・今のうちに逃げよう!」

3人が走りさった後 ようやく精次は三人が消えた事に気づいた。

「しまった!!じじいのせいで逃がしたじゃないか。」

「わしのせいにするとは・・・お前はまだまだひよっこよの〜」



その頃三人は自家用ヘリが置いてある倉庫へたどり着いていた。

「これで づらかろうぜ!」

「せやけど俺操縦なんてでけへんで。」

「大丈夫だ。俺 この間 見てたから。何とかなると思う。」

「さすが伊角さん!」

伊角が操縦席に乗り込みレバーを握るとなんとヘリはいきなり動きだした。

「へ?」

慌てる伊角とは別に二人が感嘆の声を上げる。

「すごいもんやな〜」

「ほんとに俺惚れ直したぜ!」

勝手に動き出したヘリをモニター室からこの城の主が余裕の笑みで見つめていた。

「お前らの考えそうな事なんてお見通しだ。俺から逃げ出そうなんて5000年早い。そのヘリは遠隔操作で、動くんだ。」

さてどうしたものかと腕を組む精次・・・

何と言ってもここにはお邪魔な猿がいるのだ。

アキラのように避暑地(リゾート地)で楽しむのも悪くないな。

1人妄想にふける精次の頭の中は・・・おそらく覗かないほうがよいだろう(汗)



その頃 アキラの元に一つの電話が・・・

「アキラ様 お電話ですよ。」

市河の伝言にアキラは舌打ちした。

こんなときに?ヒカルに逃げられたくないアキラは用心のため耳元に優しくささやいた。

「ヒカル食後のデザートを用意してもらうから。少しの間待っててくれる。」

「おう!アキラ ゆっくりしてきていいぜ。」



「もしもし・・・」

「アキラか。」

「兄さん!?」

「どうだ 守備のほうはうまくいったか?」

「それが・・・」

アキラは苦虫をかみ締めながらことの次第を兄に報告する。

「ふん。相変わらず甘ちゃんだな〜」

アキラはむっとする。

「そういう兄さんはどうなんですか?」



「俺か 俺は昨日から随分楽しんでるぜ。

今日はこれから例の三人と鬼ごっこだ。」





「僕は兄さんのように見境なく誰でも言い訳じゃないんだ。

それに僕はヒカルの体だけでなく心もすべて手に入れたい。」

「それならアキラいいことを教えてやろう。心なんて後からついてくるんだ。無理やりでも自分のものにしてしまえ。

でないとお前はいつまでたっても童○のままだ!」

城内では誰もが知っている事実であるにかかわらず、アキラがいまだ童○などとと言う事は城では禁句となっていた。

アキラはその禁句になすすべもなく叩きのめにされた。

ようやく自分のこのお話の目的を思い出したらしい。(そんな目的だったのか?)

「兄さんこれから僕のことを童○なんて言わせない。今から無理やりにでもヒカルを僕のものにしてみせる。」

「それでこそ 俺の弟だ。大人になってこい!」

アキラを焚きつけるだけ焚きつけた精次は今度は自分の計画の為の実行に移す。

さてあの三人の調理法は決まったなっと。

1人部屋に残されたヒカルはというと・・・



運ばれてきた果物やケーキのデザートを楽しんでいいはずだったのに寂しさを感じはじめていた。

いつもなら目の前のご馳走を仲間と取り合いし騒いでいる所なのだ。

これ俺1人で食べるのなんて勿体無いよな。

アキラ早く戻ってこないかな〜。

ヒカルは急に不安に襲われはじめた。

アキラは本当に俺に惚れてるのだろうか。

旅の途中うんざりするほど俺に愛を語り 求婚してきたアキラだったのに・・。

今朝も俺のヌードを見てなんとも思わなかったようだし。

目覚めのキスも食事中のディープキスも気に入らなかったみてえだし。

やっぱなめこがまずかったか。それとも意外に小心者なのか。

ひょっとして俺から押し倒されるのを待っているとか・・・。

えっマジそうなのか?でも俺ってそういうの経験ないしな〜。

和谷 伊角 社が鼻の下を伸ばして大人(アダルト)な話しをしていても、

食欲にしか興味のないヒカルにはよくわからなかったのだ。

だからあいつらの話す寝込みを襲う!とか目覚めのキス!とか言うのを試しによくやってみたのだが、

どうもどこかが違うのだろうと感じはじめていた。

でもこんなにご馳走になったんだし何かしないとまずいよな〜



(そうなんです。次でアキラくんが仕掛けてこないとヒカルは自分からアキラを押し倒すつもりなんです!

あくまで予定ですが。ひいろのその野望を砕けるのはもう1人の作者しかおりません。

アキヒカ か はたまたヒカ○○になるのか。しかしここはアキヒカサイト私の勝算は非常に薄い さて・・・どうなるか・・・)




そのころ佐為のお使いはというと大阪の緋色亭でたこ焼きを食べておりました。

「ヒカルがたこ焼きはラーメンの次にうまい!などといっておりましたが本当です。

こんな美味しいもの生まれてはじめて食べました。」

瞳には涙を滲ませ熱いたこ焼きをほっぺ一杯に詰め込んでます。

天竺の佐為はおろおろあたふたするばかり。

「どうして私の変な所ばかりコピーされてしまったんでしょう。慌てて作りすぎたのがいけなかったのでしょうか。」

佐為の心配を他所にお使いはもう次のターゲットにむけて出発しようとしています。

「次は京都に八橋を食べにいきましょう。」

「兄ちゃん八橋やったら ひよこ屋がええで あそこは生地がしっとりして餡も甘すぎずええんや。」

「ありがとうございます。次は 京都 ひよこ屋と・・・」



という事で佐為と一緒に緋色亭からひよこ屋へとお話ごとワープ!?