『碁遊記』

第十話〜背水の陣と四面楚歌?〜








さて、話を牛魔王の城に移そう。



社が一晩 精次にかわいがられた部屋には次々とご馳走が運ばれていた。

そして社の傍には甲斐甲斐しく世話を焼く精次の姿が。

元来精次は面倒見がいいのだ。

断じて釣った魚には餌はやらんなんて事はしない性格だ。

「どうした。お前が食べたがってた肉や魚だぞ。それとも朝からはきついか?」

「・・・・」

「俺がいたら食えないか?なら出て行くがしっかり食うんだ。出ないと精力がつかんし俺の相手はつとまらんからな。」

言いたい事だけ言って退出していった精次。

目の前には社が見た事もないようなご馳走が並んでいた。

だが、食欲なんてとてもなかった。



部屋をノックする音に身構えた社だったが顔を覗かせたのが 伊角と和谷だった事を知り力が抜けたと同時に何と言ってよいのかわからず唇を噛んだ。

「社 どうした?ってすげえご馳走だな。ひょっとして俺たちの朝飯?俺腹ペコで遠慮なく頂くぜ」

食い意地のはった和谷を伊角が制した。

「和谷 おかしいと思わないのか。社どうしたんだ。何かあったのか?」

悔しそうに唇を震わせシーツを握り締めた社の頬には涙が伝っていた。

「俺はもうあかん。アキラの兄ちゃんのやつに・・・」

伊角も和谷もその先は聞かなくてもわかった。

悔し涙を押さえきれない社の肩を伊角が抱いた。

「社 辛かっただろう。すぐここからでよう。」

「でもヒカルのやつをほっとかれへんやろ・・・」

自分がこんな目にあってもヒカルの身を案ずるのは社のいい所だ。

「あいつは大丈夫だ。何と言ってもこの話の主人公だし、作者が社のように扱う事はないさ。

それにアキラはヒカルに異常なほど惚れてる。無下にはしないだろう。」

←何気にきつい事をいうイスミン。もっともです(何者かのカキコ?)

和谷が反論する。

「でも伊角さん 惚れてるからやばいんじゃねえ。 作者だけでなく読者だってアキラとヒカルが○○の関係になるのを望んでるんだぜ!」

←何気に図星を刺すワヤヤ。私も読みたい!(読者アンケ−トNO:1の意見?)

「あいつには佐為がついている。いざとなれば助けにくるだろう。 だが、俺たちは所詮捨て駒だ。自分たちの身は自分たちで守らないと。」

「伊角 和谷 ようわかった。俺も決心ついたわ。」

「よし そうと決まったらこの城からすぐでようぜ!」





ところが・・・三人が部屋を出た所には待っていたとばかりに精次の姿が・・・。

「おや 三人揃ってどこにいくんだ。」

精次は監視カメラで三人のやりとりを見ていたのだ。

伊角が社と和谷をかばうように前に出た。

「俺たち城をでます。」

「ほう。主を捨てて城をでるのか。関心せんな。」

精次が伊角の前にぐいっとにじりよる。

「とても賢い選択とはいえん。大体俺を誰だと思ってるんだ。捕まえた獲物をそう簡単に逃がすと思っているのか?」

精次は瞬時に魔力を解放すると三人の体は持ち上がり壁に投げ飛ばされた。



それはほんの一瞬の出来事だった。



・・・だめだ・・・とても力が違いすぎる。これでは3人がかりでもとても太刀打ちできない。

近寄ってくる精次に伊角が不本意ながら跪いた。

「頼む。和谷と社は見逃してやってくれ。俺はどうなってもいい。だから・・・」

伊角の言葉に和谷が激怒した。

「なにいってんだよ。伊角さんを犠牲にして俺たち逃れたってちっともうれしくないよ。」

「俺かてそうや。それやったら俺が残るわ。 どうせ俺は1度そいつに○○されてるんやしお前らだけ城をでてヒカルを迎えにいったらええ。」

薄ら笑みを浮かべ精次の眼鏡が光った。



「随分 仲間思いの三人だな。安心しろ。お前らまとめて俺のものにしてやるから。」





この時 和谷も伊角も社も覚悟した。

何をって?もちろん断固として戦う覚悟である。

(断じて精次のハーレム計画に屈する覚悟ではない!)





そのころ軽井沢の別荘では・・・・

起きないアキラに諦めたヒカルはようやくある事に気づいたのだ。

自分が着ているものがシルクのネグリジェだった事に。

「うわなんで俺こんなカッコしてるんだ。」

まさかアキラのやつがやったのかっ・・・げげそれって俺の裸あいつに見られたって事。

ヒカルがおそるおそる自分の体に目をうつすとそこには赤い痣が広がっていた。

これなんだろう?幸いにも鈍いヒカルはそれがなんなのかわからなかった。

「ああ早く着替えよう。俺の着替え 着替えと・・・」

眠いながらも傍にいたはずのヒカルの気配がなくなったことに不満を感じたアキラが、ようやくベットから起き上がった。

そしてアキラの目の前には・・・一糸ま纏わぬヒカルの姿が。



「ヒカル ようやくその気になってくれたんだね。」

「へっ?」

自分の服に着替えようとしただけのヒカルには何が何だかわからない。

恐ろしいほどの勢いでアキラがヒカルに近づいた。



佐為の分身?はというと・・・その頃因島にいた。

「なんだか懐かしい場所です。しかも実体があるなんて千年ぶりのことです。」

潮騒の音に引かれてやってきた因島。



すっかりお使いの事など忘れているようだ。

一体ヒカルの貞操は?伊角と和谷と社は精次の野望を砕けるのか。



それは続きを書く●●のみ知るという事で・・・。