『碁遊記』

第八話〜釈迦の説法も効力はゼロ☆〜








そのころ 遠い天竺のお釈迦様(佐為)は、一向に来る気配のないヒカルたちを首を長くして待っておりました。

「ヒカル 遅いですね。いったいどこで何をしているのでしょう。」

佐為はひょいと 地上を見下ろしました。

ヒカルたちの一行がいるのは・・・・。

佐為がまず目にしたのは牛魔王のお城でした。





部屋の一室に目を移します。

ですが・・・佐為は映し出された光景にただただ唖然と。

精次が社(ごじょう)をかわいがっている真っ最中だったのです。

佐為はもちろんそんなものを見る趣味はありません。

仮に胸がドキドキして その事が気になって眠れなくてもです。

あまりのことに佐為は映し出された地上に蓋を閉めました。

見なかった事にしようと・・・・。(趣きある現実逃避なので悪しからず!)



そして別のすぐ隣の部屋を今度は映し出しました。

和谷(ゴクウ)と伊角(はっかい)の眠る部屋です。

これまたおかしな事に二人は同じベットで寝ています。

ですが、この二人は特に何と言うことはないようです。

伊角と和谷は精次が襲ってこないようにと二人で同じ部屋で寝たいただけなんです。

仮に二人が抱き合って寝ていてもです。(趣きある過激な妄想ですので悪しからず!)





そして最後に最愛のヒカルを映し出した佐為は、その傍にいたアキラを蹴飛ばしたくなりました。

「一体なんて事を・・・」

ヒカルが寝ているのをいい事にアキラは散々悪戯をしています。

そしてヒカルに思いっきり噛みつかれたアキラに、いい気味だと佐為はひそかに笑ったのですが・・・

それもつかの間。



このままではヒカルの貞操は危ないと察したのです。

これは何とかしなければ・・・。

眠りこけるヒカルの耳元にアキラがそっと唇を寄せました。



「目が覚めたら君を僕のものにするよ。」





それを聞いた佐為は真っ青です。

こうしてはいられない。

私自らヒカルを迎えに行かなければ・・・。



場所は変わってこちらは牛魔王の城。

精魂つき 精次にバージンを奪われた社はあられもない姿で失神していました。

そしてその隣には不敵な笑みを浮かべ味を占めた緒方が・・・。

ふむ 兄 思いの弟(アキラ)に感謝だな。

アキラもうしばらく戻ってくるなよ。

俺はしばらくこの三人と楽しむから。

精次の野望はハーレムを作る事。もちろん美少年集団の!?

まだまだ城になど戻る気などないアキラと、ハーレム計画をたてる精次の利害は一致。



かくしてこの二人と佐為との攻防戦が始まろうとしていた。