[PR] この広告は3ヶ月以上更新がないため表示されています。
ホームページを更新後24時間以内に表示されなくなります。
夢とロマンが満載の桃源郷…天竺(てんじく)。
そこにででで~んと屋敷を持っていた…ヒカル三蔵。
しかしその生活態度の乱れっぷりは、天竺の長老達を悩ませていた。
それを見かねた法師…佐為がヒカル三蔵と、その悪友の3匹を天竺から時限移動させて、モンゴル砂漠に落とした。
そして広がる砂漠に男達4人という、何ともむさい旅が展開している始末。
温室な場所から、ほぼ旅の資金無しでの長旅は、肉体的にも精神的にも異常に追い込んでしまう。
「なあ…まだ着かないのか。天竺に。」
「それよりも喉がもうもたねえ…どうするべ。」
と熱いにも関わらず重ね着をして、更に状況を悪化させているヒカル三蔵が一番に弱音を吐く。
そしてそれにつられるように、水分補給を訴える悟空和谷がここぞとばかり愚痴る。
お金が尽きて野宿で参っていたからだった。
しかし彼らは食べるの専門で、必要最小限しか食さない残り2名にまでとばっちりは来た。
「なんで俺までこうならなぁあかんねん。ほんまむかつくわ。」
「喋ると余計疲れるから止めた方がいいよ。悟浄…。」
辺境の地…日本の関西弁をしゃべる社悟浄は、烈火の如く怒る。
そのまだまだ余力が有り余る彼を恨めしそうに、伊角八戒は疲労を湛えながら馬に揺られていた。
馬もこんな連中のことより、三食昼寝付きで自由な牧場で、牧場のおじいさんに可愛がられた事を思い出していた。
砂漠に普通は自分より適任者ラクダって考えが、こいつらにはないのかと、人参と湖の蜃気楼をたびたび見ていた。
そして10分後…
「ヒカル三蔵。牛魔王のイケメン王子アキラ様が求愛に来たぞ。どうだ嬉しいだろう。」
何処からともなくやって来たアキラ王子が、国際問題すれすれの言葉を吐きながら華麗に参上した。
そうとう暑苦しいゴージャスな衣装で…
でも相手をしていられる状況ではない。
というかアキラ王子はすっかり無視されて、4人は目的地に惰性で向かっていた。
それを気に入らないアキラ王子は
「どうした何時もの威勢は…情けないぞ!!」
余計な一言がアキラ王子の浪費に繋がった。
「俺を惚れさせたかったらまずは食事を奢れ!それから100歩譲って考えてやる。」
「えっ…。本気なのかヒカル三蔵。」
急な思い人の提案で舞い上がっているアキラ王子。
しかし…
(これで4日分の空腹にピリオドが打たれる。)
まさにあくどいヒカル三蔵はアキラ王子の恋心を逆手にとり、好手に変えた。
哀れアキラ王子…
「ヒカル三蔵が行くって言うんなら、俺は従者(悪友?)として役目を果たさなければならない。」
和谷悟空がヒカル三蔵の腕に絡まり、普段は死んでも言わないくさいセリフを吐いた。
それを横目でみた社悟浄は…
(あいつ熱あるんちゃうんか?さぶイボ出た~!!)
うすら寒い表情のそれとは違い、伊角八戒は
(もしかしてたかるつもりか?悟空は…だったら俺も便乗せねば!!)
普段なら清廉潔白をモットーとしている伊角八戒だったが、お腹の重低音がそれを否定する。
「そうですね。ヒカル三蔵とアキラ王子との祝言を述べねばならないんで同行をさせてもらいたい。」
全くもってそんな気はさらさらないどころか、アキラ王子無しで出来れば食べものか現金希望な本音を旨く誤魔化す。
そんな二人の行動の意図をやっと理解した、社悟浄は
「まあ…用心棒で雇われているんで、給料分ヒカル三蔵のために付いていかなぁ~あかんし。」
今まで彼がケンカで和谷悟空やヒカル三蔵本人ですら勝った事がないのに、ここぞとばかりいけしゃあしゃあと言う。
(こいつら空腹のせいで、ついに頭まで変になって…??)
ヒカル三蔵が同情よりも憐れみたっぷりを込めた瞳で、3人を見ていた。
三匹と自分は全く持ってそんなもんじゃなく、父親同士がゴルフ仲間で、ついでに自分達も気が合うマブダチ…
(いや…正確には俺の父さんの部下の息子達で俺の下僕。)
めちゃめちゃ失礼な事を嘯いていた(笑)